君想ひ夜半に見る月 朧月 猛る心を霑せ慈雨よ
照滴041
本文
形式
カテゴリ
ラベル
キーワード
要点
現代語訳
夜半に君を思いながら見る朧月よ、激しい心を慈雨のように和らげてほしい。 注釈
解説
深掘り_嵯峨
激しい情念と鎮静の祈りが交錯する歌です。「君想ひ」という燃えるような心は、「朧月」という不確かな光の下でさらに**「猛る」**、つまり制御不能な状態になっています。 そこで作者は、仏の慈悲を象徴する「慈雨」に、この煩悩の熱を潤し、鎮めてほしいと切に願っています。情熱を否定するのではなく、それを慈悲の力で浄化したいという、求道と情愛の葛藤が美しく描かれています。